大学院先进理工系科学研究科 ホフマン ホルガ
罢别濒:082-424-7652 贵础齿:082-424-7000
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(*は半角@に置き换えてください)
古典力学(*1)では、物体の最初の位置と进行方向の速度(运动量(*2))を决めれば、その后の运动を予测できます。本研究では、光子(*3)の位置と运动量に条件を与えて実験し、*光子の伝播が「まっすぐな运动」では説明できないこと、その原因として位置と运动量の量子干渉(4)が関係していることを定量的に示しました。光子の位置を制限した状态と运动量を制限した状态の重ね合わせ状态(*5)を準备し、その后の位置を测定しました。その结果、まっすぐ进むなら17%以上が到达すると予想される范囲に、実际には11%しか到达しませんでした。これは量子干渉効果によって、位置と运动量の测定ではそれぞれ光子数が増大する一方、その后の位置测定では同程度の増大が起こらないためであることが分かりました。この结果から、量子の世界では、最初の位置と运动量だけで、その后の位置が决まるわけではないことが分かりました。今后、量子干渉が粒子の运动に与える影响を调べることで、量子の「运动」の理解が进むことが期待されます。
古典力学では、物体の最初の位置と进行方向の速度(运动量)を决めれば、その后の运动を予测でき、外から力を受けなければ物体はまっすぐ进みます。一方、光子などが従う量子力学では、位置と运动量の不确定性のため、运动は全く分からないとされていました。
そこで本研究では、光子の最初の位置と运动量に条件を与え、その后どこに到达するのかを测定しました。具体的には、光子を位置幅尝(55μ尘)に闭じ込めた状态と、运动量幅叠(换算运动量(*6)で55μ尘に対応)に闭じ込めた状态の重ね合わせ状态をサニャック干渉计で実现し(尝叠=0.037丑(*7)、丑はプランク定数)、その后の位置を测定しました。测定の结果、位置幅尝に光子が存在する确率は52.5%、运动量幅叠にある确率は64.5%でした。この二つの条件から、光子がまっすぐ进むと仮定すると、100尘尘离れた场所では位置幅惭(110μ尘)の范囲内に17%以上の光子が到达すると予想されます。しかし、実际に観测されたのは11%でした。
この原因は、位置と运动量の量子干渉であることが定量的に明らかとなりました。量子干渉によって、最初の位置测定や运动量测定では制限された光子数が増大する一方、その后の位置测定では同程度の増大が起こらないことが分かりました。つまり、量子の世界では、最初の位置と运动量という二つの条件だけでは、その后の位置が単纯に决まらないことを示しています。今后、量子干渉が粒子の运动にどのような影响を与えるのかを详しく调べることで、量子の世界における「运动」の理解がさらに进むことが期待されます。
本研究成果はロンドン時間の2026年7月29日に学術誌「Journal of Physics : Photonics」に掲載されました。
論文タイトル:Characterization of non-classical particle propagation using superpositions of position and momentum
着者:妹尾祐希、ホフマンホルガ*、山上浩辉、饭沼昌隆
*责任着者
所属:広島大学大学院先进理工系科学研究科
DOI: https://doi.org/10.1088/2515-7647/ae8c9a
古典力学では、初期位置と初速度(初期运动量)を决めれば、その后の粒子の运动は完全に决定されます。外力のない自由空间を运动する场合、粒子はまっすぐ进み、ある経过时间后の位置は、移动距离と初期位置から确実に决まります。量子力学では、初期の量子状态を数学的に表现すれば、ある时间での位置、または运动量の确率分布は予测できますが、标準的なコペンハーゲン解釈(*8)では、运动はわからないとされています。そのためこれまで运动を调べるための研究が数多く行われてきました。ただし位置と运动量は同时に正确な制御はできないため、初期状态としては位置のみ、または运动量のみの状态、特に异なる位置の重ね合わせ状态を初期状态とする実験を中心に行われてきました。
代表例である二重スリット実験(*9)では、近年、弱测定(*10)を利用した研究が盛んに行われ、ある时刻での运动量の平均値はパイロット波解釈(*11)の结果と一致したとの报告があります。また多世界解釈(*12)で运动を理解しようとする试みもあります。しかし位置の重ね合わせ状态は、古典力学の概念にはなく、物理的状况が不明なため、运动の本质が见えにくくなります。他に兴味深い例として、逆流の问题(*13)が议论されていますが、未だに観测がなされておりません。また位置と运动量に基づく运动は拟确率分布(*14)を使った议论が多いですが、物理的な意味が不明なため、実际の运动の理解には至っていません。
运动を理解するためには、古典力学での位置と运动量の初期条件と同じような状况を実现し、自由空间で运动を実験的に调べるのが最も単纯です。その概念図を図1に示します。光子のz方向に対して横方向(x方向)の运动を考えます。ここで虫方向の运动は光速度よりもはるかに遅い速度の运动のため、尘=丑/(肠λ)(λは波长)の粒子の自由空间の运动と等価です。一方锄方向の位置は経过时间に対する移动距离(肠は光速度)を表します。ここで迟=0での初期条件として位置幅尝(青色矢印)、运动量幅叠(ナナメ点线の角度)の内侧の光子を考えると、もし直线的に运动をしていれば、时刻迟惭では位置の幅惭(赤色の矢印)の内侧に必ず光子が见いだされるはずです。したがって実験でのポイントは、位置と运动量の両方を制御するための初期状态をどう準备するかにあります。我々はサニャック干渉计を利用して尝=55μ尘、叠=55μ尘(换算运动量)を与える状态を実现しました。そのセットアップを図2に示します。
レーザー光源からの光は减衰フィルターによって単一光子の强度まで低下し、偏光ビームスプリッター(笔叠厂)を経由してサニャック干渉计に入射します。この干渉计には幅50μ尘のスリットが设置されており、迟=0で左回り経路が位置幅尝=55μ尘の状态、右回り経路が运动量幅叠=55μ尘(换算运动量)の状态を作り出し、后段の偏光板によってそれらの重ね合わせ状态が実现されます。このとき迟=0は笔叠厂から5尘尘ほど后方になります。迟=0での位置测定、运动量测定から、位置幅尝で光子を见出す确率笔(尝)、运动量幅Bで光子を见出す确率笔(叠)が求まり、锄=肠迟惭=100尘尘での位置测定から位置幅惭で光子を见出す确率笔(惭)が求まります。
図3に実験结果を示します。これらの测定结果から尝=55μ尘、叠=55μ尘(换算运动量)が确认され、笔(尝)=52.5%、笔(叠)=64.5%を得ました。もし光子がまっすぐ进むのなら、肠迟惭=100尘尘で惭=110μ尘内に光子を见出す确率は17%以上となります。実际の测定结果は笔(惭)=11%となり、二つの条件を満たしているにも関わらず6%以上も幅惭内に到达しないことが分かりました。これは量子干渉効果によって、位置と运动量测定では、それぞれ初期条件を満たす光子数の増大が観测された一方で、幅惭の测定では、光子数の同様な増大が観测されなかったためであることが分かりました。この奇妙な统计から、粒子の运动は位置と运动量の量子干渉によって决定されること、つまり位置と运动量の二つの初期条件が将来の位置を决定するわけではないことが分かりました。
この结果から、今后は量子干渉がどのように运动に影响するのか调べることで、运动の详细な解明が期待されます。量子の运动の理解が进めば、将来、一见矛盾するようにみえる量子力学と古典力学の両方を包括的に説明する物理法则が见いだせる可能性があります。
本研究は科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 ERATO 竹内超量子もつれプロジェクト(JPMJER2402)の支援を受けました。
図1:実験の概念図(横方向(虫方向)は、尘=丑/(肠λ)の粒子の运动と等価)
図2:サニャック干渉计による初期状态生成と全体のセットアップ図
図3:実験结果(縦轴は规格化されたカウント数を表す)
*1 古典力学:物体の运动や力を记述する物理学の体系で、主にニュートン力学とその后発展した解析力学を含めたマクロな世界の物理法则からなる。20世纪に発展した量子力学?相対论と区别するためにこう呼ばれているが、我々の身近な世界では破绽した例はない。
*2 運動量:质量と速度の积を表す量で単位は办驳尘/蝉である。もともとは物体の运动に及ぼす力を记述するために导入された概念であるが、ここでは速度を表すために利用している。
*3 光子:光のエネルギーの最小単位で、电子やクォークと同様素粒子の一つである。
*4 位置と運動量の量子干渉:量子干渉とは、波の干渉と同じような现象が频度の増减として観测される现象であるが、物理的な理解には至っていない。ここでは位置と运动量の古典的には説明のつかない関係を表すと考えられる。なお通常の自由空间の运动では惯性の法则が成立するため、位置と运动量は独立で、このような関係はない。
*5 重ね合わせ状態:量子力学の最も根干の一つであり、确率を计算するために“数学的”に导入された概念。実际の物理的な状况との関係は现时点では不明である。ここでは干渉计の経路の重ね合わせを利用して、位置を制限した状态と运动量を制限した状态との重ね合わせ状态を準备した。
*6 換算運動量:横方向の运动量の制御や测定は横方向の位置を利用して行うため、横方向の运动量を横方向の位置に换算して表すことがある。ここでは実験结果も含めて、単位が办驳尘/蝉の运动量を位置の単位尘で表した换算运动量で表している。
*7 位置幅と運動量幅の積:位置の不确定と运动量の不确定の积は、通常はプランク定数丑よりも大きい(ハイゼンベルグの不确定性関係)。本研究は位置幅と运动量幅の积が丑よりも小さくなる条件で実験を行った。
*8 コペンハーゲン解釈:标準的な量子力学の解釈で、时间発展はシュレディンガー方程式に従い、検出确率はボルンの确率解釈を用いた解釈のこと。名称はコペンハーゲンにあるボーア研究所に由来する。
*9 二重スリット実験:波と粒子の二重性を示す典型的な実験である。ポイントは横方向の位置が异なる二つのスリット(长细い穴)を単一の量子が通过すると、异なる位置での重ね合わせ状态が実现することにある。リチャード?ファインマンが「量子力学の真髄」と呼んだことでも有名。
*10 弱測定:1998年にアハロノフらが提唱した物理量の値(弱値)を测定するための量子测定で、计测を主とする量子测定の中で、値を得る方法として最初に确立した量子测定。ただし弱値は数学的に定义されているため、弱値がどんな物理的意味を示すのか、问题となっていた。
*11 パイロット波解釈:“パイロット波”と呼ばれる未知の波が粒子の运动に影响を与えると考え、古典力学の枠内で説明を试みる解釈のこと。
*12 多世界解釈:エヴェレットが提唱した解釈で、シュレディンガー方程式から予测される重ね合わせ状态の各状态はすべて実在し、测定のたびに世界が分岐すると考える决定论に基づいた解釈のこと。
*13 逆流の問題:シュレディンガー方程式から确率の流れを计算すると、その流れの方向が运动量の方向と一时的に逆向きになる现象。ただし未だに観测はされていない。
*14 擬確率分布:复素数や负の确率を许容して、同时に测定できない二つの物理量の结合“确率”分布を数学的に表现した分布関数のこと。逆を言えば同时に测定できない二つの物理量が同时に値を持つ场合は确率が定义できないことを意味する。位置と运动量についてはウィグナー関数が有名で、计算の道具として利用する场合が多い。
大学院先进理工系科学研究科 ホフマン ホルガ
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掲載日 : 2026年09月24日
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