広島大学大学院医系科学研究科 教授 長瀬 健一
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(*は半角@に置き换えてください)
広岛大学大学院医系科学研究科の长瀬健一教授は、温度を変えるだけで肝细胞を选択的に分离?回収できる新しい筒状の装置(カラム)を开発しました。
このカラムには、肝细胞を选択的に捕まえる糖含有高分子と、温度によって性质が変化する高分子を组み合わせた特殊な材料が用いられています。これにより、细胞を伤つけにくい条件で肝细胞を捕捉し、温度を下げるだけで回収することができます。
最适な高分子构造を持つカラムを用いたところ、肝细胞とそれ以外の细胞を効率よく分离できることを确认しました。さらに、回収した肝细胞は高い生存率と増殖能を维持しており、细胞の机能が保たれていることも明らかになりました。
本技术は、肝组织の作製や再生医疗研究に必要な肝细胞の精製に利用できるだけでなく、细胞表面を标识する抗体や磁気粒子を使用しない新しい细胞分离技术としての応用が期待されます。&苍产蝉辫;
本研究成果はRoyal Society of Chemistryより出版されている「Journal of Materials Chemistry B」に2026年6月24日に掲載されました。Volume14, Number 24のFront Coverに選ばれています。
また、本研究は広岛大学から论文掲载料の助成を受けています。
?「Hepatocyte purification column using thermoresponsive glycopolymer-modified silica beads」
Kenichi Nagase*(*責任著者), Junnosuke Matsuda
?Journal of Materials Chemistry B, 14, 7499-7511, 2026
DOI: 10.1039/d6tb00422a
肝细胞を用いた再生医疗や肝组织工学は、肝疾患に対する新しい治疗戦略として期待されています。一方で、肝组织から细胞を取得する际には、肝细胞と混在する非标的细胞を分离し、目的细胞を高品质に精製する技术が重要です。
従来広く用いられている蛍光抗体や磁気粒子を利用した细胞分离法は高精度な分离が可能です。一方で、细胞表面を标识?修饰する必要があり、细胞本来の性质に影响を及ぼす可能性があります。そのため、细胞表面をできるだけ改変せずに分离できる手法が求められています。
ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(笔狈滨笔础础尘)は约32℃付近で水和?脱水和状态が変化する温度応答性高分子です。高温侧では脱水和して収缩し、低温侧では水和して伸展する性质を示します。一方、笔痴尝础はガラクトース构造を持つ糖含有高分子で、肝细胞表面のアシアロ糖タンパク质受容体(础厂骋笔搁)と相互作用するため、肝细胞を选択的に捕捉するリガンドとして利用できます。
そこで本研究では、これらの高分子を用いた笔狈滨笔础础尘と笔痴尝础をシリカビーズに修饰した充填剤を用いたカラムを作製し、温度制御による肝细胞分离カラムの构筑を目指しました。
本研究では、肝细胞を选択的に认识する糖含有高分子(笔痴尝础)と、温度によって性质が変化する温度応答性高分子(笔狈滨笔础础尘)をシリカビーズ表面に固定し、肝细胞を分离するためのカラムを作製しました(図1)。
このカラムでは、肝细胞を捕捉した后、温度を下げるだけで回収することができます。
研究グループは、高分子の长さが异なる9种类のカラムを作製し、细胞分离性能を比较しました。その结果、肝细胞を効率よく捕捉するとともに、低温で回収しやすい最适な构造を见いだしました。温度変化によって高分子の状态が変化することで、肝细胞との结合を弱め、细胞を穏やかに回収できることが分かりました(図2)。
図1 机能性高分子修饰ビーズを用いた
肝细胞分离カラム
図2 肝细胞分离カラムの温度による肝細胞の捕捉?脱離
特に、最适化したカラムでは、肝细胞以外の细胞を通过させながら肝细胞を选択的に保持し、その后の温度低下によって効率よく回収することに成功しました。さらに、肝细胞と他の细胞を混合した试料を用いた実験でも、肝细胞を选択的に分离できることを确认しました(図3)。
図3 肝细胞分离カラムによる細胞分離性能の評価
また、回収した肝细胞は高い生存率と増殖能を维持しており、分离操作による细胞への大きなダメージは认められませんでした(図4)。これらの结果から、本技术は再生医疗や肝组织工学に必要な肝细胞の精製技术として活用できる可能性が示されました。
図4 カラムから回収した肝细胞の(础)生存率の评価と(叠)増殖率の评価
今回开発した糖含有高分子と温度応答性高分子を修饰したビーズ充填カラムは、肝细胞を标识することなく、温度変化のみで分离?回収できる点に特徴があります。また、この方式は多くの细胞を効率よく処理できるため、実用化にも适しています。
本研究グループが2022年に报告した平面型ガラス基材の分离法と比べ、1回当たりの细胞処理量は约5倍でした。そのため、本技术は肝组织工学や再生医疗研究における肝细胞の精製技术としての活用が期待されます。
今后は、初代肝细胞や干细胞由来肝细胞など、より実用に近い细胞を対象として分离性能の検証を进めるとともに、カラム条件の最适化や回収细胞の机能评価を行います。これにより、再生医疗、创薬研究、薬物による肝毒性评価などへの応用が期待されます。
広島大学大学院医系科学研究科 教授 長瀬 健一
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掲載日 : 2026年09月15日
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