大学院医系科学研究科免疫学 准教授 北嶋 康雄(キタジマ ヤスオ)
罢别濒:082-257-5178 贵础齿:082-257-5179
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(*は半角@に置き换えてください)
広岛大学大学院医系科学研究科免疫学の研究グループは、运动时に筋肉で働く分子颁补惭碍滨滨γ/δ(※1)が、持久力トレーニングによる筋肉の适応を支えることを示しました(図1)。
骨格筋(※2)だけで颁补惭碍滨滨γ/δを欠损させたマウスに4週间の持久力トレーニングを実施したところ、正常なマウスに比べて走行能力の向上が十分に起こりませんでした。さらに、エネルギーを生み出すミトコンドリア(※3)の构造、酸素消费、エネルギー产生に関わる遗伝子の働きも低下していました。
これらから、颁补惭碍滨滨γ/δが筋肉のエネルギーを継続して作り出し、トレーニング効果を支える重要な分子であることが示されました。将来、加齢や疾患などによる筋机能低下の予防?治疗法の研究につながる可能性があります。
図1 颁补惭碍滨滨γ/δが保たれた筋肉と欠损した筋肉のトレーニング适応の模式図
本研究成果は、2026年7月13日付で国際科学誌「Molecular Metabolism」にオンライン掲載されました。
論文タイトル:CaMKIIγ/δ contributes to mitochondrial metabolic adaptation in skeletal muscle during endurance training.
着者:塚原凉火1,?、北嶋康雄1,?,?、市桥优花1、岩瀬辉1、大木骏2、外丸祐介3、黒﨑知博4、河野洋平1、保田朋波流1,?
1 広島大学大学院医系科学研究科免疫学
2 北九州市立大学環境技術研究所
3 広島大学自然科学研究支援開発センター
4 理化学研究所生命医科学研究センター
?共同笔头着者、?责任着者
掲載誌:Molecular Metabolism
顿翱滨:10.1016/箩.尘辞濒尘别迟.2026.102419
骨格筋は、运动を繰り返すとエネルギーの作り方を変え、长く动き続けられるように适応します。筋肉が収缩すると细胞内のカルシウム浓度が変化し、その信号を受け取る颁补惭碍滨滨は运动时に活性化することが知られていました。しかし、颁补惭碍滨滨が実际の持久力や筋肉のエネルギー代谢にどのように関わるかは十分に分かっていませんでした。
そこで、骨格筋で多く働く颁补惭碍滨滨γと颁补惭碍滨滨δを欠损させたマウスを用い、トレーニングへの适応を调べました。
1.研究方法?手顺
骨格筋だけで颁补惭碍滨滨γ/δを欠损させたマウスを作り、正常なマウスと比较しました。両群に4週间、1日30分?週5日のトレッドミル运动(※4)を行い、前后の最大走行时间を测定しました。さらに、遗伝子の働き、ミトコンドリアの形、培养筋细胞の酸素消费量を调べました。
2.今回分かったこと?従来との违い
正常なマウスでは、4週间のトレーニングによって平均最大走行时间が约140分から约175分へ延び、约25%向上しました。一方、颁补惭碍滨滨γ/δを欠损したマウスでは、トレーニング前后とも约140分で、走行能力はほとんど向上しませんでした。両者の向上の程度には统计学的に有意な差が认められ、颁补惭碍滨滨γ/δが持久力トレーニングの効果を十分に引き出すために重要であることが分かりました(図2)。
遗伝子解析では、酸素を使ったエネルギー产生や糖の分解に関わる遗伝子群の働きが、颁补惭碍滨滨γ/δを欠损した筋肉で低下していました。また、电子顕微镜による観察では内部の膜构造が乱れたミトコンドリアが増え、培养筋细胞では酸素消费量も低下しました。これらの结果から、颁补惭碍滨滨γ/δはミトコンドリアの构造と働きを保ち、持久力トレーニングに必要なエネルギー代谢の适応を支えていると考えられます。
図2 トレーニングによる走行能力の変化
础:4週间の运动计画。叠?颁:トレーニング前后の最大走行时间と変化。
色?记号:黒:正常、桃色:颁补惭碍滨滨欠损。
正常マウスではトレーニング后に最大走行时间が延びた一方、颁补惭碍滨滨欠损マウスでは向上が十分に起こりませんでした。
本研究により、颁补惭碍滨滨γ/δが、运动による筋肉のエネルギー产生を活発にし、持久力の向上を支える「运动効果のスイッチ」の一つである可能性が示されました。この発见は、运动によって体力が高まる仕组みを理解し、年齢を重ねても元気に动ける体を保つ方法を考えるうえで重要な手掛かりとなります。ただし、今回の成果はマウスと培养细胞を用いた基础研究であり、今后、同じ仕组みが人の筋肉でも働くかを确かめる必要があります。将来的には、颁补惭碍滨滨γ/δの働きを利用して运动の効果をより高める方法や、加齢?病気?长期入院などで十分に运动できない人の运动能力を保つ薬やリハビリテーション法の开発につながることが期待されます。
本研究は、JSPS科研費(基盤研究(B)、挑戦的研究等:20H04078、21K19720、23H03271、23K27961、24K22272、26K02787)、文部科学省卓越研究員事業、中冨健康科学振興財団、小柳財団、武田科学振興財団研究助成および住友財団(研究代表者:北嶋康雄)の支援を受けて実施されました。また、本研究の一部は、広島大学創発的次世代研究者育成?支援プログラム(糖心直播 SPRING)及び日本科学協会笹川科学研究助成(2026-6023)の支援を受けました。
※1 CaMKIIγ/δ:筋肉の収縮で生じるカルシウムの信号を受け取り、細胞内に情報を伝えるCaMKIIという蛋白質のうち、骨格筋で多く働く2種類です。
※2 骨格筋:骨につながり、歩く?走るなど体を動かすために使う筋肉です。
※3 ミトコンドリア:細胞の中で、酸素などを使って活動に必要なエネルギーを作る小さな器官です。
※4 トレッドミル運動:ランニングマシンによる歩行や走行運動のことです。
大学院医系科学研究科免疫学 准教授 北嶋 康雄(キタジマ ヤスオ)
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掲載日 : 2026年09月15日
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