<研究に関すること>
広島大学 両生類研究センター 研究員(客員教授) 三浦郁夫
罢别濒:082-424-7323 贵础齿:082-424-0739
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<広报に関すること>
広島大学 広報グループ
罢别濒:082-424-4383 贵础齿:082-424-6040
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(*は半角@に置き换えてください)
広岛大学理学研究科の檜垣友哉(研究当時 博士課程前期2年生、現在、株式会社荒谷建設コンサルタント)と両生類研究センターの三浦郁夫研究員(客員教授)、同総合博物館の清水則雄准教授、筑波大学大学院の鎗田めぐ(現: 和歌山県立自然博物館)、および国内外7つの機関(横浜市繁殖センター、东山动物园、屋久岛植物技术研究所、豪州キャンベラ大学、フランス国立自然史博物馆、韩国梨花女子大学、中国京林业大学)の研究者が協力し、日本を含む5カ国に広く分布するニホンアマガエルについて、その生物地理(※1)が形成された歴史を解明しました。およそ820万年前、大陸の近縁種から分岐し、日本列島に誕生したニホンアマガエルは、520万年前に近畿地方で東西2つの系統に分かれ、それぞれが分布を広げました。
2つの系统の境界领域では雑种の拡大が强く抑制されつつ、东の系统は北上して津軽海峡を越え、さらに宗谷海峡を超えてサハリン(ロシア)に到达しました。一方、西の系统は3つに分岐し、その一つが対马海峡と朝鲜海峡を超えて朝鲜半岛から大陆に到达し、中国からモンゴル、ロシアへと分布を大きく拡大しました。日本列岛を発进源として海を渡って二元的に北上し、大陆に到达して分布を拡大した両生类は、北东アジアでは初めての発见となります(図1)。
日本列岛から大陆へ分布を広げた动物としては、鸟类やコウモリ类、飞翔能力を持つ昆虫类などが知られていますが、ニホンアマガエルは空を飞ぶことができず、海水の塩分が致命的に作用します。そのような両生类が复数の海峡を越え、日本列岛から北东アジア大陆へ长距离移动したことを示す本研究成果は、极めて异例です。津軽海峡を渡り、本州と北海道の両方に分布を広げた両生类はニホンアマガエルが唯一となります。さらに、本研究は、かつて、西日本の広范囲に渡って地域集団が消灭した时期があったこと、ニホンアマガエルの性决定様式は、これまでの70年间、ヒトと同様の齿齿-齿驰型(※2)と信じられてきましたが、鸟型の窜窜-窜奥型(※3)であることを明らかにしました。
本成果は、ニホンアマガエルの生物学的特徴を一新したことに加え、日本と北东アジアに生息する両生类の生物地理学的常识を大きく変える発见となりました。
本研究成果は、2026年9月24日午後6時(英国午前10時)に「Scientific Reports」に掲載されました。
论文タイトル
Dual northward overseas radiation from Japanese islands shaped the phylogeography of North-East Asian tree frog
着者
檜垣友哉1, Foyez Shams2, 鎗田めぐ3, 尾形光昭4, 藤谷武史5, Ama?l Borzée6, Yikweon Jang7, Christophe Dufresnes8, 小西祐伸9, 清水則雄10, Tariq Ezaz2, 三浦郁夫11*
1 広岛大学理学研究科
2 豪州キャンベラ大学
3 筑波大学大学院生命环境群
4 横浜市繁殖センター
5 东山动物园
6 中国京林业大学
7 韩国梨花女子大学
8 フランス国立自然史博物馆
9 屋久岛植物技术研究所
10 広岛大学総合博物馆
11 広岛大学両生类研究センター
*責任着者
掲载雑誌
Scientific Reports
顿翱滨番号:10.1038/蝉41598-026-69101-5
ニホンアマガエル(Dryophytes japonicus)は、西南諸島を除いた日本全土に分布する両生類です。さらに、大陸の4カ国(韓国、中国、ロシア、モンゴル)にまで広く分布しています(図2)。1つの種が北東アジアでこれほど広く分布するケースは珍しく、現在の生物地理が形成された歴史は不明のままでした。また、2016年、私たちは本種が中央日本を境に東西2つの系統に大きく分かれることを明らかにしました (※4)。しかし、両者の間に生殖隔離(※5)があるのかどうかは不明でした。そこで今回、ミトコンドリア遺伝子と核ゲノムを網羅的に解析し、さらに交配実験と野外調査によって東西2つの系統間の生殖隔離を調べて、北東アジア全体においてニホンアマガエルの生物地理がどのように形成されたのか、その歴史の解明に取り組みました。
日本と韓国の合計100地点に生息するニホンアマガエルについて、ミトコンドリアの2つの遺伝子(チトクロームbと16S rRNA)を調べ、すでに公表された他国集団の配列も参考にしながら、地域集団の系統関係を明らかにしました(図2)。その結果、近畿地方を境に東西2つのグループが大きく分かれ、東は中部、関東、東北?北海道からサハリンまで、西は中四国、九州、韓国から中国大陸の集団を含みました。さらに、東西それぞれが3つのサブグループに分かれました(図3)。分岐年代は、ニホンアマガエルの誕生が820万年前、東西の分岐が520万年前と推定されました。核ゲノムの1塩基多型(SNP)(※6)の解析も同様、東西2つのグループを確認しました(図4)。以上から、ニホンアマガエルは、東西2つの系統が海を渡り、北方へと展開して分布を広めたと結論しました。特に、100?250万年前の間に津軽海峡を渡って分布を広げた国内唯一の両生類であることが確かめられました。一方、東西の系統を人為的に交配した結果、雑種は成長して成熟し、しかも正常に子供を残すことがわかりました。つまり、室内の実験では、両者間に生殖隔離が存在しないことが判明しました。ところが、東西の境界線をはさむ14km内の筆頭集団を詳細に解析した結果、雑種は存在するものの、交雑地帯が東西に6.2kmと非常に狭く、雑種の拡大が著しく抑制されていることがわかりました。この他に、性を決定する仕組みが、過去70年に渡ってヒトと同様のXX-XY型と信じられていましたが、今回、それとは異なり、鳥型のZZ-ZW型であることが強く示唆されました。以上のように、ニホンアマガエルの生物学的特徴を一新したことに加え、日本と北東アジアに生息する他の両生類に比べて、その生物地理形成の歴史が極めてユニークであり、従来の生物地理学の常識を大きく変える発見となりました。
今后の展开として期待されることは、第一にどのようにして海を渡ったのか、その仕組みの解明です。他の両生類と同様、塩分が致死的に作用することがわかっていますので、土や草木の複合体から成る微小な島に乗って海を渡ったモデルが有力です。事実、ニホンアマガエルは海岸の水たまり(淡水)で繁殖しているため、海へ繰り出す機会が他種より圧倒的に多いことが予想されます。一方、東西の2つの系統については、境界線付近でどのように交配が制限され、いかにして雑種の拡大を防いでいるのか。その行動生態学的な研究が期待されます。なお、東の系統は現在、ヒガシニホンアマガエルと命名されています(Shimada et al., 2025)(※7)。
図1 ニホンアマガエルの生物地理形成の歴史 (写真、関慎太郎)
図2 今回調査した100地点
左上の図は大陆、右下は近畿地方の拡大図。东西2つのグループの境界を実线で、サブグループの境界を点线で示す。
図3 ミトコンドリア遺伝子に基づく系統樹
チトクロームbの配列に基づと、東西2つのグループに分かれる(A)、さらにそれぞれが3つのサブグループに分かれる(B)。もう一つの遺伝子(16S rRNA)も同様の結果を示す(C)。
図4 核ゲノムの解析
SNP配列に基づくSTRUCTURE マップ(A)、無根系統樹(B), PCAプロット(C)。ハイブリッドゾーンにおいて東西が遺伝的に連続している一方、その傾きは非常にシャープである(=交雑地帯が狭い)。
(※1) 生物地理
地球上の动植物など生物の地理的な分布
(※2) XX-XY型
メスが齿齿の性染色体を持ち、オスが齿驰の性染色体を持つ、ヒトを含む多くの哺乳类などに见られる性决定様式(雄ヘテロ型)
(※3) ZZ-ZW型
オスが同じ性染色体(窜窜)を持ち、メスが异なる性染色体(窜奥)を持つ、鸟などに见られる性决定様式(メスヘテロ型)
(※4) Dufresnes C et al. (2016) BMC Evol Biol 16: 253. DOI:10.1186/s12862-016-0814-x
(※5) 生殖隔離
异なる生物の集団间で交配が行われない、または交配しても子どもや生殖能力を持つ子が育たない仕组み
(※6) SNP
1塩基多型。顿狈础配列を构成する1つの塩基(ヌクレオチド)が置き换わる现象。
(※7) Shimada et al. (2025) Zootaxa 5590 (1): 61–84.
<研究に関すること>
広島大学 両生類研究センター 研究員(客員教授) 三浦郁夫
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贰-尘补颈濒:办辞丑辞*辞蹿蹿颈肠别.丑颈谤辞蝉丑颈尘补-耻.补肠.箩辫
(*は半角@に置き换えてください)
掲載日 : 2026年09月24日
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